早期マネー教育は失敗か、成功か
まだ娘が5歳の頃だったと思う。
お金の使い方が下手な夫を見ていて危機感を感じ、
娘にはお金の早期教育をしようと考えたのである。
娘が5歳を迎えた月から、毎月500円お小遣いをあげて
お小遣い帳も与えて、お金の使い方を学ばせることにした。
好きに使わせて、これは買ってよかったなとか、
これは買って失敗したなとか、お金に関していろいろ
感じてもらうことが一番の目的だ。
さらには、
「欲しいものがないときは、無理に使おうとしないで貯めておくといいよ」
とも教えていた。
そんなある日、娘が私にこう聞いてきたのだ。
「お母さん、今お母さんはいくらお金を持っているの?」
私はすこし考えて、
「300円」
と答えた。
すると娘はとても心配そうに、
「…お母さん、私のお金あげようか?」
と言うのである。
私は
「あなたのお金はあなたの好きに使いなさい」
と言って、丁重にお断りしながら、
娘の純粋さに心打たれたのであった。
その後も時々、いくらお金があるのか尋ねられ、
そのたびに「300円」と答え、
「私のお金をあげようか?」と言われることになるのである。
しかし、小学2年生になった今の娘に、
「300円しかない」と言っても、通用しなくなってしまった。
なので代わりに最近は「今月は赤字だわ」と言うことにしている。
すると、
「お母さん、大丈夫?」
と娘が心配してくれるのであった。